部屋を借りる時に敷金0、礼金0物件は大丈夫?


敷金0礼金0

こんにちわ。元不動産賃貸営業マンの中田です。

営業マン時代によく頂いた質問シリーズです。

「敷金 0、礼金 0は大丈夫?」

そんな心配される方が多い敷金0、礼金0についてです。

以前はトラブル続出だった敷金0、礼金0物件

私が営業マン時代、都内で敷金礼金 0ヵ月の物件募集が多く開始され始めた時代だと思います。

話題になり借りる人も結構いたみたいですがその後、違法となる「追い出し行為」を行っていたことが世間で話題になりました。
追い出し

「追い出し行為」とは

家賃の支払いが 1日~2日遅れただけで、部屋のドアに細工をして入れなくする

家賃支払いが 1週間遅れると勝手に部屋に入り荷物すべてを処分する。など

こういった事が当たり前のように行われている状態があったようです。

その不動産会社の言い分は「部屋を貸す契約ではなく、部屋のカギを貸す契約」といった無茶苦茶なものだった気がします。笑
※間違っていたらごめんなさい

そのような理由だから普通の部屋を借りる契約(賃貸借契約)ではないと言っていましたが結局、その会社は倒産となったようです。

そこで国土交通省では、そういったトラブルをまとめた資料を作成していますのでぜひ、読んでみて下さい。

賃貸不動産管理をめぐるトラブル等の現状(PDF)

国土交通省HPより

近年の敷金0、礼金0物件で気を付けたいこと

さきほど書いた通り以前は敷金 0、礼金 0物件では違法となる「追い出し行為」が当たり前に行われていましたが、現在「追い出し行為」は違法という認識が広まったため、そのような違法行為はほぼありません。

しかし敷金 0、礼金 0というのは不動産業界でも非常にインパクトがあり、この条件を積極的に取り入れる不動産業者が増えてきました。

そこで敷金礼金 0物件の特徴を家賃ごとに説明していきたいと思います。


家賃 7万円までの敷金礼金 0物件
アパート

都内で家賃 7万円までの敷金 0、礼金 0物件は、ほとんどがアパートです。しかもメチャクチャ狭い部屋が多いです。

それでも都心に近いエリアに建てられている物件が多く通勤、通学には便利です。


家賃 7万~10万円までの敷金礼金 0物件
分譲賃貸マンション

この価格帯の敷金礼金 0は分譲賃貸の物件がほとんどです。

そしてこの価格帯の敷金礼金 0物件は初期費用として下記のようなお金をよく請求されます。

  • メンテナンス費1ヶ月
  • 合計6.97万円
    (内訳:室内抗菌処理代1.62万円 入居中サポート2万円 事務手数料1.08万円 鍵交換代2.16万円)
  • 合計5.3万円
    (内訳:クリーニング4万円/書類作成1.3万円)
  • 合計6.5万円
    (内訳:書類作成費1.2万円 クリーニング費用4万円 書類作成事務手数料1.3万円)
  • 合計8.64万円
    (内訳:クリーニング費4.86万円 ○○クラブサポート1.62万円 鍵交換代2.16万円)
  • 合計7.02万円
    (内訳:鍵交換代1.62円/ハウスクリーニング代4.86万円/契約書作成費0.54万円)

上かからいくつか説明していきます。

一番上の「メンテナンス費」というのは請求名目を変更しただけです。敷金礼金をメンテナンス費に変えただけです。なんのメンテナンスをされるのかまったくわかりません。笑

次は 3番目を見てください。「書類作成費」と「書類作成事務手数料」があります。一体これはなんでしょう?笑
賃貸の契約書は定型文があり必要事項を多少変更するだけです。しかも高額すぎです。
こういった事を平気でやる業者が多いのが不動産業界なのです。

次は 下から二つを見て下さい。まずこの部屋は 1K 20㎡程度の物件だったのですが部屋のクリーニング代が 4.8万円もします。これは高すぎです。
しかし掃除代が高いと文句を言ったところでじゃあ借りなくていいですと言われてしまうのです。

その他では室内抗菌処理代、○○クラブサポートなどは、ほとんど意味がないものです。

この価格帯の物件の多くは敷金礼金 0にする代わりに小さな条件でコツコツと収益をあげようとしているのです。


家賃 10万以上の敷金礼金 0物件

この価格帯になると借りる人が特別に不利な条件の内容などは、ほぼありません。

家賃 10万以上の敷金礼金 0物件の多くは家賃を下げる事が出来ないかわりに初期費用を低く設定する事で借りやすさをアピールしているのです。


大家さん有利な時代が終わり敷金礼金0物件の誕生

敷金礼金 0物件というのは最近、増えてきた条件です。

今でもまだそうですが、以前はもっと大家さんに有利な時代でした。

敷金 2ヵ月、礼金 2ヵ月は当たり前で部屋を退去する時は修繕費すべてを平気で入居者に請求する時代でした。

また当時の大家さんの多くは
まとまった金額を払えない人は「お金を計画的に貯める事ができない」

そういう人は家賃滞納をする確率が非常に高いという経験に基づいて敷金礼金を設定していました。

賃貸市場は入居者の争奪戦と変化

賃貸市場の変化

さきほどの大家さんの考え方でまとまった金額を払えない人は「お金を計画的に貯める事ができない」ということでしたが、まとまった金額に礼金が必要かどうかとなると・・・・どう考えても必要ないですよね。笑

大家さんと不動産屋が欲しかっただけですから。笑

また修繕費については行政がガイドラインを示しており、例え裁判になったとしても大家さんが負ける事が多いです。

しかし実際問題として初期費用が少ない物件を借りる方は支払い遅れ、家賃滞納は多いです。

「お金を計画的に貯める事ができない」ということは合っていると思います。

ただ現在を考えてみましょう。

年齢を重ねれば給料があがるわけではなく、公務員の方でもついにクビになる時代になりました。
クビ

昔のように○○に入社したら「生涯安心」ということは決してないと思います。

こうなると計画的にお金を貯めるといっても、いつ何が起こるかわからず昔の考え方では今は通用しません。

また社会状況だけではなく賃貸市場も変わりつつあります。

マンションは増えているのに、借りる人が少なくなってきている中で大家さんは入居者を確保しなければいけません。

そのためには大家さんが魅力的な条件を提示しないと入居してもらえないという危機感をもった大家さんが、ようやく増えてきました。

まとめ

あくまでも私の予想ですが賃貸市場はさらに借り手に有利な条件の物件が増えてくると思います。

特にこの敷金礼金 0という条件は 10年以内に当たり前の条件へとなっているかもしれません。

今までの部屋を借りる条件が異常過ぎたのです。

これからが、ようやく当たり前の大家屋さんと借り手の関係になっていくと思います。


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