賃貸営業マンとして働いてきたなかで実際に起きた騒音トラブル事例についてです。
営業マンの喜びといえば、もちろん営業成績を上げて給料をたくさんもらうことですが、賃貸物件の営業でうれしいことは他にもあります。
それは物件を紹介したお客様が再度ご来店いただき、また部屋を探しに来ました。となることは非常に嬉しいものです。それは自分の接客、営業が間違っていなかった自信に繋がるからです。
そしてある日、ご夫婦とお子さん1人の3人家族のかたが部屋探しでご来店いいただきました。
引越しの話を伺うと、いわゆる高額物件をお探しのお客様で、私のヤル気は一気に上昇しました。
しかし高額物件といっても、さまざまあり物件探しは苦戦しましたが、なんとか物件をご契約いただくことができました。
高額賃貸物件を借りたお客様がすぐに引越しをする理由
その後、1年ほど経ったある日の事です。私が案内から帰ってくる高額物件を借りたお客様がまたいるのです。
そこで詳しく話を聞いてみると・・・まさかの騒音トラブル、ご近所トラブルのような感じになり引越しをしたいと・・・。
まさかの展開に私たちもビックリしました。なぜなら、そのお客様が借りた物件は分譲賃貸マンションで騒音トラブルは起きにくいと考えて借りた物件でした。一般的に分譲マンションが賃貸で出るケースは2パターンあります。
1つめは投資、節税目的でマンションの1室を購入して賃貸として出すケース。よくあるのが1Rの分譲マンションの部屋を賃貸として出ている場合が、こういったケースです。
もう1つはマンションを購入して住んでいたが転勤など、何らかの理由で引越すことになり賃貸として出るケースです。
この2つは同じ分譲マンションですが実は使っている材質や設備などが全く違い、同じ分譲マンションなのにこんなにも違うの?と驚くほどです。
そして私のお客様が借りたのは、購入者が住むために買った分譲マンションで設備もしっかりしていて賃貸に出回ることが、ほとんどない物件だったのです。
それだけの物件なのになぜ?引越したい理由を聞いてみると・・・騒音トラブルが原因だそうです。
ルールを守ってピアノを弾いているのにクレーム発生!?
その騒音トラブルについては、そのお客様ご自身から聞き、相手の言い分を聞いたわけではないので実際はどちらに非があるのか判断できませんが説明しますね。
まず、お客様が引越した部屋は3階の部屋だったのですが下の階に老夫婦が住んでいたそうです。そして引っ越し時はもちろん両隣と下の階にも引越しの挨拶を行っていたそうです。
お客様は新しい部屋での生活が落ち着ちついたということもあって、ある日から奥さんが趣味のピアノを弾き始めたそうです。もちろん、そのマンションは日中の決まった時間であればピアノの演奏が許可されていましたので奥さんがピアノを弾いていました。すると下の階の老夫婦からうるさいとクレームが入ったようです。
決まったルールの中でピアノを演奏しているのにも関わらずクレームがくるというのは納得がいきませんが、奥さんはとりあえずピアノを我慢することになりました。
新しい住人が出す音に我慢できない老夫婦
しかし、トラブルはそれだけでおさまりませんでした。お客様には小学1年生の男の子どもが一人いたのですが、これくらいの歳の子どもであれば遊び盛りで元気ですよね?室内でも多少、走り回るのは仕方が無い事だと思うのですが、下の老夫婦からまたしてもうるさいとクレームが入ったそうです。
その後、家族全員がなるべく足音には注意した生活を送っていたそうですが、それでも下の階からクレームが来たそうです。しかも他の部屋からは一切クレームが来ることがなかったのでお客様もまいって、建物を管理する管理会社に連絡してみたそうです。
管理会社に間に入ってもらい下の階の老夫婦の主張を聞いてみると驚きの答えが返ってきたそうです。老夫婦が言うには今まではピアノも弾く人がおらず静かな環境だった。今まで子どもがおらず静かな環境だったのがうるさくなっている。とのことだそうです。
たしかに、そこの分譲マンションは築年数こそは浅いのですが住んでいるかたのほとんどが、子どもはすでに独立している、または高校生という世帯がほとんどだったっそうです。
そのため老夫婦は、いままでと違う音が聞こえてくることが嫌だったようです。
結局、管理会社に間に入ってもらいましたが個々の住戸同士の騒音トラブルには、これ以上介入できないといわれたそうです。
お客様もこれ以上、ギクシャクした関係で住み続けたくないということで、住んでわずか1年でまた引越しをすることにしたそうです。これが一人暮らしであれば自分が我慢すればいいですが、ご家族の場合はそうもいきませんよね。家族全員が音に注意しながら生活を送るなんていうのは、つらいですものね。
建物がしっかりしていても騒音トラブルは起きる
今回まさかの騒音トラブルにあったお客様は、今度は下に部屋がない部屋を条件として探すことになり、たまたま運よく希望通りのマンションが見つかりそこに引越しされました。
この件で感じたのは、どんなにマンションがよくても結局は住んでいる住人がなにかに細かすぎるとトラブルが起きてしまうのだと。
このお客様も実際、クレームを言われたのは老夫婦からだけだったそうなので、あまりにも不運だったとしかいいようがありません。
こういったトラブルが起きることもあるので、わたしも賃貸営業マン時代は住人の方はどんなかたが住んでいますか?とお客さんによく聞かれました。
しかし、それはプライバシーに関することなので、もちろんお答えすることは出来ませんと答えるしかありません。
これが大家さんから事前にお隣や下の住人が細かいと教えてもらえれば、もちろん伝えますが・・・情報を隠す大家さんもいたりするので・・・不動産屋はあくまでも大家さんからもらった情報をお客さんに伝える立場だとご理解ください。
しかし、どんな方が住んでいるなんてことは教えてくれませんが前の入居者がどういった理由で退去したのかは聞けば教えてくれます。
そこで部屋を借りるときは「前の入居者の退去理由はなんですか?」と聞きましょう。これであれば、ほとんどの物件で退去理由を教えてくれます。
完璧な方法ではありませんが聞かないよりは聞いた方が少しでもトラブルになる確率を下げれるので部屋を借りる時は確認することをおすすめします。