みなさんネットで部屋探しをしていて、安い!と思った物件の詳細をみると【定期借家契約】という表示があったりしませんでしたか?
そこで今回は「定期借家契約をわかりやすく簡単に説明」します。
定期借家契約とは契約更新が出来ない契約
通常の契約方法は【普通借家契約】とよばれています。そして、契約期限が定められ契約更新が出来ない契約方法の事を【定期借家契約】と呼びます。
では【定期借家契約】と【普通借家契約】を簡単にですが比べてみましょう。
定期借家契約は必ず書面による契約が必要
定期借家契約 | 契約書に「契約の更新がない」旨の特約を定める必要あり。 また「更新がなく期間の満了により終了する」ことを契約書とは別に書面を作成し、交付して説明しなければならない |
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普通借家契約 | 書面でも口頭でもよい |
普通借家契約であれば大家さんと直接、口頭での契約も成立しますが、定期借家契約では必ず書面による契約を結ばなければなりません。
定期借家契約は更新できない(再契約型を除く)
定期借家契約 | 契約期間満了で終了し、更新されない |
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普通借家契約 | 「正当事由」がない限り更新される |
普通借家契約の「正当事由」とは大家がどうしてもそこに住まなくてはならない、建物が著しく老朽化して居住するには危険であるなどの証明ができれば「正当事由」と認められる場合もあります。
しかし実際の普通借家契約では、そのようなケースは少なく実際は高額の立退料支払いをもって契約の解除となります。
一方「定期借家契約」ではこの「正当事由」が発生しないので、立退料支払いが必要ありません。
定期借家契約は必ず期間を定める
定期借家契約 | 1年未満の契約期間でも認められる |
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普通借家契約 | 1年未満の契約期間は期間の定めのない賃貸借とみなされる |
「定期借家契約」には期間を定める必要があり不確定な期間では「普通借家契約」とみなされる。
定期借家契約の賃料増減は特約の定めに従う
定期借家契約 | 賃料の増減は特約に従う |
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普通借家契約 | 特約にかかわらず、賃料の増減を請求できる |
「定期借家契約」は特約の定めに従います。
「普通借家契約」では特約にかかわらず大家、借主が賃料の増減に対して請求ができる。
定期借家契約で借主から中途解約する場合
定期借家契約 | 床面積が 200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情により生活の本拠として使用する事が困難な場合は特約がなくても中途解約ができる |
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普通借家契約 | 中途解約に関する特約があれば、その定めに従う |
「定期借家契約」のやむを得ない事情とは転勤、療養、親族の介護など。
定期借家契約終了の終了には借主へ通知が必要
そのほか定期借家契約では「期間満了による終了の場合の通知」が必要になります。
貸主は、期間が満了する 1年前から 6ヵ月前までの間に、借主に「契約満了により契約が終了する」ことを通知する必要があります。
ただし契約期間が 1年未満である場合には、この通知は必要ありません。
再契約型の定期借家契約とは
ここまで「定期借家契約」について読んで頂ければ、おわかりだとは思いますが「定期借家契約」は更新ができません。
しかし「再契約型 定期借家契約」というものは再契約(更新)ができます。
その場合、新たな契約を結び更新料ではなく再契約料として賃料の 1ヵ月分を支払う事が多いです。
2種類の定期借家契約を理解する
まず初めに知って頂きたい事として「普通借家契約」は借主に有利な契約。「定期借家契約」「再契約型 定期借家契約」は大家に有利な契約という事です。
そして「定期借家契約」は大家さんの転勤、建物の建て直しなど貸し出す期間が明確に決まっている場合に定める場合が多いです。
一方「再契約型 定期借家契約」は再契約を見込んでいますが家賃滞納、近隣トラブルなどがある場合に備えて再契約型としている場合が多いです。
これが「普通借家契約」の場合、わずかな家賃滞納、近隣トラブルがあったとしても契約解除、更新拒否をする事が非常に難しいのです。
しかし「再契約型 定期借家契約」を結んでいれば特別な理由も必要なく再契約しないという事ができます。
こういった事から近年「再契約型 定期借家契約」を結ぶ物件も少しずつではありますが増えてきています。
まとめ
一般的に「定期借家契約」物件は期限が定められているため賃料が周辺相場より低く設定される事が多いです。
しかし「再契約型 定期借家契約」物件は周辺相場と同じ家賃設定である事が多いです。
確かに「普通借家契約」では借主にだいぶ有利な内容になっておりトラブルが有った場合、大家さんが被る負担は非常に大きいです。
そのトラブルを避けるために「再契約型 定期借家契約」を結んでいるのであれば家賃設定は通常より安く設定するべきだと思いますが、私はそういった物件は見た事がありません。
このブログで何度も書いていますが年々、空室率の上昇が続いているのにも関わらず需要と供給に見合った家賃設定、契約条件にならないというのは、よい状態とは言えないと思います。
供給が多いのであれば多くの大家、不動産会社が淘汰されより活発な引っ越しがしやすい環境となる事を望みます。