みなさん首都圏で部屋を借りる時に、支払う礼金ってなんのために支払っているの?と疑問に思った事はありませんか?
今回はこの不思議な「礼金」についての始まりと、説明をしたいと思います。
首都圏で部屋を借りる時に支払う礼金とは
【契約時に支払う大家さんへの謝礼金】です。
そして謝礼金なのでもちろん返金はされません。ただあげているだけなのです。
礼金の始まり
礼金は戦後、焼け野原で住む所が少ないなかで部屋を貸してくれた大家さんにお礼として謝礼金を渡した事が始まりと言われています。
では、なぜ今も礼金なんてものが存在するのでしょうか?
礼金が無くならない理由は部屋を借りる時のシステムにある
私は不動産会社で働いていたので礼金がなくならない理由がハッキリとわかります。
それは不動産会社、不動産業界に責任があります。
下の図を見てください。
これは大家さんから物件の紹介を任された A不動産が他社にも募集をお願いしている図です。
ネットを見たお客さんは BCDE不動産のいずれかに連絡して部屋の契約をしたとします。
BCDE不動産はお客さんから仲介手数料を頂く事ができますが、さて A不動産の報酬はどうなるのでしょうか?
ここで A不動産は考えました。
お客様からの仲介手数料は法律上、上限が決まっているのでこれ以上頂く事は出来ません。
では大家さんから頂く事にしよう。
そして A不動産は「広告宣伝費」という名目で大家さんから報酬をもらう事にしました。
大家さんは自分のお金を払いたくないので礼金を設定する事で A不動産への「広告宣伝費」に充てているのです。
こんな事のためにお金を支払うなんてバカげていますよね?
もちろん不動産屋も悪いですが、いまだに大家さんでも礼金が欲しいなんて方は山のようにいるのも事実です。
悪しき習慣なのは事実ですが今はこの方法で、より多くのお客さんが簡単に部屋を見れるようになっているのも事実です。
礼金ゼロの部屋は場合はどうなっているのか?
しかし最近は礼金 0ヵ月も非常に増えてきています。
これは賃貸住宅の空室率の増加が原因です。
空室が増えると入居者は選べる物件が多くなります。
大家側からすると、他の部屋(競争相手)が多くなる事になります。
そのため大家は自分の建物に入居してもらおうと、少しでも入居しやすい条件への変更が多くなってきているのです。
では上の図で A不動産が礼金 0ヵ月の場合はどうしているのでしょうか?
その場合 A不動産は大家さんの持ち出しで報酬を頂いていたり、A不動産自体が貸主(大家)だったりするので礼金は不要という方針に変わってきているのです。
結局、大家さんの負担ではあるのですが私達、借り手の負担は減ってきています。
まとめ
私は不動産賃貸の営業を辞めてから何度か引越しをしましたが礼金を支払う物件には一度も住んでいません。
礼金は、ほとんどが不動産屋の報酬になるのに元不動産勤務だった私からするとバカバカしくて払っていられません。
みなさんも礼金 0ヵ月の物件を選び続けていけば礼金なんて制度が無くなり、より引越ししやすい制度へと変化して行く事でしょう。