全国各地で起きている賃貸住宅に関するトラブル。
今回のトラブルはペットトラブルについてお話を聞かせていただきました。
山口県に住む動物が苦手な男性は仕事場に近くペット飼育禁止のアパートということで、よく検討せずに物件を決め住み始めると…。
元不動産賃貸営業マンの私が今回お話を聞かせていただき感じた大事なチェックポイントについて書いてみました。
動物が苦手な私がペット飼育禁止ということで選んだ物件
山口県のアパートで災難に見舞われました。
私は漁師の仕事で朝早く家を出発するので、少しでも漁港から近いアパートを借りるつもりでした。
探し回っていると、ちょうど一階の一室だけ空いている物件を発見したのです。
それこそが、トラブルが発生したアパートだったのです。
男性で25歳の私は、稼いで遊ぶことしか頭になくて賃貸に関して不勉強だったと思います。
そのせいで大家の本性を見抜けずに、大変な目に遭いました。
契約した物件には、ペットの飼育を固く禁じる決まりがあります。
女性の大家さんから説明を受けたときには、室内や外の通路が汚れることが理由だとわかりました。
どこにでもありそうなルールだと思いましたし、動物が苦手な私にはうってつけの物件です。
大家の優しい人柄に安堵感を覚えたのも束の間、入居してから二週間もすると住環境がガラリと変わりました。
チェックポイント
こちらの男性のようにペットが苦手というかたは実は結構多いのです。
そしてペットが苦手な事を言いにくそうにしている人って多いです。
それはペットとして飼われることが多い犬や猫を、誰もがカワイイと思っているという風潮があるからです。
だからこそペットを飼う人に必ずわかっていてほしいことは、動物が嫌い、苦手な人がいるということです。
ペット飼育禁止だが大家さんだけはペット飼育OK!?
ある日の午後に動物の鳴き声が気になったので玄関のドアを開けると、隣の部屋の前に犬が座っていたのです。
敷地内に打たれた杭から伸びる鎖に繋がれていたので、飼われていることは一目瞭然でした。
犬の飼い主は大家です。
私がアパートから道路に出るためには、大家の部屋の前を通る必要があります。
犬に近づくことは避けられず、動物を見ると足がすくむので毎日怖い思いをしていました。
私が通りがかると犬は歯を見せながら吠えてくるので、噛まれるのではないかと感じもしました。
犬が私の体に突進してきたことがあり、毛が触れた足の一部分が痒くなりました。
さらには、外に設置していた私の洗濯機のホースに穴を開けられたのです。
噛まれたような痕があったので、大家の犬の仕業としか思えませんでした。
そこでイライラが頂点に達し、大家の部屋のインターホンを押しました。
チェックポイント
あちゃ~ですね。
こういった話は…実は多いのです。
みなさん驚かれるかもしれませんが入居者はペット不可でも、大家さん自身はペットを飼っている人は多いです。
実際に私もそういう大家さんの物件を契約していただいたこともあります。
なぜ、こんなことが起きるかというとペット飼育可にしてしまうと大家さんの修繕費などの金銭的負担が大きく、かつペットをめぐるトラブルが発生して管理が手間になるからです。
だから入居者はペット飼育不可で大家さんはペットを飼っているというケースが多いのです。
大家さんから嫌なら解約してほしいと切り出され…
洗濯機の被害状況について説明したら、飼い犬ではなく野生のタヌキだと言い張られてしまいます。
しかし、タヌキなら食べ物以外は眼中にないことを私は知っていました。
そのことについて話しても、絶対に犬のせいではないと怒鳴られたのです。
そもそもアパートで動物を飼ってはいけないと私が追及すると、賃借人にだけ適用されることなので大家には関係がないようです。
どうしても納得できず、通路に落ちている犬の毛や尿のシミを指差しながら大家の考えは間違っていると言いましたが、嫌なら解約してほしいと切り出されました。
このアパートで暮らしていると今後もトラブルに巻き込まれそうだと思ったので、別の物件を探して解約することに決めたのです。
チェックポイント
これは男性の言い分が半分正しく、もう半分は大家さんが正しいですね。
まず洗濯ホースをタヌキが、かじるなんて考えにくいです。どう考えても大家さんの犬の仕業という可能性が濃厚です。
でも自分が飼っているカワイイワンちゃんが、そんなことをするなんて大家さんは思っていないのでタヌキのせいにしてしまうんですよね。
これは大家さんが原因を突き止めることを拒否しているので、この部分は大家さんが悪いですね。
そして問題のペット不可のアパートで大家さんだけがペット飼育というのは、残念ながら問題ありません。
大家さんの言う通りペット不可というのは借り手にだけ適用されるルールなのです。
こればかりは、もうどうしようもありません。
こういったトラブルに巻き込まれないためにも、内見時のチェックというのが非常に重要になります。
建物の周囲の状況などをよく確認すればペットがいる場合は、ほぼわかります。
そして借りる前に動物が苦手なので大家さんを含めて飼っている人がいないかを確認することです。
本当に大家さんだけがペットを飼っているケースは多いので事前によく確認するようにしましょう。