全国各地で起きている賃貸住宅に関するトラブル。
今回は名古屋市内の賃貸で起きた鳩トラブルについてお話を聞かせていただきました。
そして元不動産賃貸営業マンの私が今回お話を聞かせていただき感じた大事なチェックポイントについて書いてみました。
新築マンションに入居1年。なんの問題もない生活
名古屋市内の賃貸マンションで我が家が経験したのは、鳩の猛襲でした。
大袈裟ではありません。本当に大変だったんです…。
私は40台前半の女性です(専業主婦をしています)。
現在の住居に引っ越してくる前は、名古屋市内に住んでいました。
名古屋駅から北へ伸びる幹線道路沿い、地下には地下鉄が同様に走り、その地下鉄の駅から10分圏内の大変利便性の良いエリアでした。
マンション自体は新築、立地も幹線道路から入った住宅地内でしたので、騒音もさほど気にならず住環境も良かったです。
選んだのはそのマンションの最上階である7F、3LK60㎡弱、家賃は7-8万円、なかなかだと思っていました。
ベランダから見える景色はとても見晴らしがよく、付近には戸建て住宅や店舗、また寺社に併設された緑地公園などがありました。
高層の大型マンションといった高い建物は200m程遠方のため、日照も全く問題ありませんでした。
チェックポイント
非常に良い環境の物件ですね。
そして何より名古屋の家賃がとても安い!!
私は都内で不動産賃貸のカウンター営業をしていたので都内の家賃相場しか知らないので、この名古屋の家賃にはビックリです!
あと東京以外では車は必須になると思うので、車にかかる金額を考えても非常に魅力的な家賃相場ですよね。そして車が必要無い場合だと・・・とても家計に優しいですね!
念のため本当にこんなに名古屋は家賃が安いのかと思い調べてみましたが・・・ここまで良い条件の物件はさすがに少なかったですが近い条件の物件はたくさんありました!
しかも礼金無しという物件が都内より断然多い!あとは保証金、敷金償却という物件が都内より多いのが少し気になるところでしたね。
いずれにせよ都内の物件は礼金を取る物件が多すぎなんですよ。都内だと家賃が下がることは難しいですが、せめて礼金は無くしてほしいものですね。
新築マンションに入居1年後に鳩の猛襲に遭う!
さて、入居して1年ほど経ったころ、突然、鳩が頻繁にベランダにやってくるようになりました。
鳴き声もずっと聞いていると苦痛ですが、とにかく糞と羽の量がすごいのです。
糞は悪臭を放ちますし、羽は羽で何というか動物的なムワッとする臭いを放つのです。
在宅していて気付いた時にはベランダに出て追い払ったりもしましたが、旋回してまたすぐに戻ってきてしまいます。
光物を吊るしたり、ベランダの柵にとまれないように5㎝くらい浮かして針金のようなものを張ったり(そういう鳩除け商品を購入しました)対策は取ったのですが、ベランダの柵だけでなくベランダ自体にも入ってくるようになって、布団や洗濯も干せず本当に困ってしまいました。
チェックポイント
鳩が急にやってくるうようになるのは、やはり何か原因がありますね。
賃貸のトラブルごとで、やっかいなのはこういった入居後、時間が経過してからトラブルが発生する場合です。
入居前であれば見ただけでわかりますが、入居1年後に起きることは事前に回避できませんからね。
ちなみに鳩がよくくるマンションはあります。
私が営業マン時代、空き部屋をお客さんと見に行くと部屋はいいのですがベランダにフンや羽が落ちているのです。すると鳩がやってきてベランダにとまるのです。もちろん、こんなベランダでは入居者は決まりません。
では今回の場合は入居1年後に鳩がやってくるようになったようですが原因は一体なんなのでしょうか・・・。
鳩が飛来する原因が判明!しかし大家さんは自分で対応をと…
仕方なく大家さんに相談したところ、なぜ急に鳩がやってくるようになったのかを知ることができました。
先にも書いた200m先の高層階マンションで鳩苦情がひどくなったことから、屋上からネットをマンション全体にかけるようになったのだそうです。
それで、夕方・夜・朝方は神社で過ごした鳩が、日中は行き先を変えて私たちが住むマンションに飛来するようになったとか…。
実は大家さんも同じ最上階に住んでおられて、最上階は一番鳩がよく飛来することもあり困っておられたそうです。
「でも、うちはマンション全体をネットで覆う予定はないから…」と暗に個人で対策をするように言われてしまいました。
チェックポイント
出典:日本鳩対策センターより
鳩がくるようになった原因は、いままで飛来していた場所に飛来できなくなったことが原因だったようですね。
それにしても大家さんの対応が親切ではありませんが、気持ちはわからなくもありません。
この鳩対策としてネットを張る工事を業者に依頼すると今回の7階建ての建物全体の場合、100万円程度の予算は考えていたほうがいいようです。
余裕がある大家さんであれば対策をすぐに出来ますが、話を聞いていると個人の大家さんなのでそこまでしてお金を払いたくなかったのでしょう。
しかし本来であれば環境の変化で入居時より生活しにくくなった、今回でいえば鳩が飛来するようになり生活に支障がでているのにも関わらず、大家さんが対策をしないのであれば家賃の減額交渉の材料にできます。
もちろん、それは大家さんと話し合いを踏まえてになりますが、生活に支障がでるレベルであれば対策をしてもらうか、家賃を下げてもうべきです。
鳩対策でネットを張るしかないと考えていたが…
状況はひどくなるばかり。
時に3羽が仲良くベランダで遊んでたりして、(ペット禁止のマンションでしたが)こっそり犬でも飼おうかと思ったくらいです。
毎日掃除する羽の固まりはハンドボールくらいになり、糞は乾燥したところを箒で掃くと粉になり、吸わないためにマスクも欠かせません。
光物や柵の針金以上の対策となると、もうネットしかないな…と思い始めたところ、主人の転勤が決まり、マンションを出ることになりました。
結局トラブルは解決せず、平和の象徴の鳩がなんだか嫌いになってしまった1年間(入居して2年)でした。
チェックポイント
自分たちで対策をするまえに退去することが決まりよかったですね。
先ほども書きましたが本来は大家さんが対策をするべきです。
おそらく今回の方が退去したあとに大家さんは鳩対策をした、または家賃を下げたのではないかと私は思っています。
どちらかをしなければ、鳩が毎日ベランダにくる部屋なんて誰が借りるでしょうか?
多くの大家さんは設備の故障以外のこういった事にたいしては腰が重いです。
鳩対策をすることで入居者の不満が解消され入居者が定着しやすくなれば賃貸経営を安定しておこなえ、自分の資産価値を守ることにつながるのです。
こういうことに気付く大家さんが増えてほしものですね。